勝利の女神様のあしあと

「人生は舞台」、私たちは次の舞台へ。

アニメに偏見を持っていた一般人がオタクになるまで。~原点・『けいおん!』編~

皆さん、あけましておめでとうございます!(大遅刻)

2024年は劇場版スタァライトのマサラ上映があったり、ブシロードの新春発表会に行ったりと年始から元気にスタァライトオタクをやっていましたが、これを書いている現在は、なんとインフルエンザに罹患してしまい絶賛療養中です。
ちなみに人生初のインフルエンザです。
…くぅ、別にこれは一生デビューしなくてもよかったのに…。
幸いにも熱はそれほど高くもなく落ち着き、現在は喉の痛みのみで割とマシにはなってきました。

という訳で絶賛引きこもりで暇を持て余しているため、今回は
「私がオタクになった理由(ワケ)」を書いていこうと思います!Fuuu〜!!!

順番に振り返っていくと結構長くなりそうなので、ジャンルごとに出来るだけ簡潔に書いていこうと思います。
え、一体誰に需要があるのかって?

 わ た し だ 。

人が何かにハマった時のきっかけのお話とか見るのが個人的に結構好きだったりするので、自分のこれまでのまとめとして軽く振り返っておくのも後々を考えると面白いかなーと思いまして。
もしこの記事に興味を抱いてくれた、私と同じような趣味をお持ちの方がいらっしゃれば、「へ~そんなこともあるんだ~」という好奇な目線で読んでいただけたらと思います。

 

《アニメに対しての偏見》

前置きとしてまず、私は元々アニメを見る人間ではありませんでした。
というのも、「アニメは子供が見るもの」という考えだったからです。
「アニメを見るなんて子供っぽいし、深夜アニメを見てる奴なんてやばい奴らしかいない」という風潮が世の中にも蔓延していました。そういう時代だったのです。今は堂々とアニメの話が出来るいい時代になったな、とつくづく思います。
私自身も、そういう偏見を偏見だとも思わず当たり前だと思って生きてきた人間のひとりで、アニメとは全く無縁の人生を送っていました。
そもそも私は小学生の頃からの生粋の浜崎あゆみファン」であり、社会人に至るまで彼女一筋で追いかけてきた人間だったので、他のことには一切興味がありませんでした。
一方、世間ではアニメ好きの人種を”ヲタク”と呼び、「冴えない成人男性がチェック柄のシャツをジーンズにインして、頭にハチマキを巻き、リュックを背負っている」というテンプレートイメージが、マスコミを中心にして植え付けられていきました。また某大型掲示板が流行し、それに対する世間の心象があまり良くないものであったため、

「”オタク”は気持ち悪い」
「いつか犯罪を起こしそう」

などという偏見も世の中に広がり、”オタクであること”をますます公表しにくい世界になっていきました。
そういう世界線で育ってきたため、アニメに触れようと思ったこともありませんでした。

《初めてアニメに触れたきっかけ》

そんな私が、大学の頃にハマったものがあります。それがニコニコ動画」。
当時、YouTubeは日本では全く流行っておらず、動画サイトはニコ動が全盛期でした。(動画の中でコメントが流れていく、あのシステムはやっぱり画期的だったと思う)

ハマったきっかけは、ちょうど気になっているゲームがあり買おうか悩んだ時に、検索して出てきた「ゲーム実況動画」でした。
私はこの時に初めて「実況動画」というジャンルの動画があることを知り、またその時気になっていたゲームの実況をしていた実況者さんにハマってしまいました。
詳細な経緯は省きますが、私はその実況者さんの活動を追う内にいつの間にか、その実況者さんや周辺の実況者さん、リスナーの人達と親しくなり、「大の大人が夜な夜な集まって通話しながらマリオカートをする」という謎のゲーム集団の一員に入っていました。下手したら明け方までやってましたね、あの頃。いやマリカー、マジで面白かったんだよ…。

そしてこの謎の集団との出会いが私とアニメを引き合わせるきっかけになったのです。


それはいつものようにSkype通話(懐かしい)を繋ぎながらマリカーをやっていた時でした。
誰かが、その時に流行っているアニメの話題を持ちかけたのです。
そのアニメの名前は、けいおん!
もちろん私は聞いたこともないアニメでした。
するとみんな口々に、

「あぁ、『けいおん!』面白いよね!」
「俺も見てるよ」
「結構流行ってるよねー」

弾むように会話が進んでいくではありませんか。
私は何が何だかついていけず、頭の中で(え、アニメってドラ○もんとか、そういう時代で終わるものなんじゃないの…?)と漠然としたモヤモヤだけが渦巻いていました。

「え、みんなそのアニメ見てるの?」
そう私が聞くと、みんなは意外というように驚き、

「面白いよー見てみなよ!」
「軽音楽部の話でさ、日常系って感じ」
「『けいおん!』のキャラで例えるならニケさんは誰っぽいかなぁ…」
「”秋山澪”じゃない?」
「あーわかるかも!」

待って、ちょっと待ってほしい。私を置いて先に行かないで。

まず”日常系”という言葉の意味も分かっていない私を置いてきぼりにして、みんなはどんどん先に話を進めていきます。この時点で私はかなりのカルチャーショックを受けていました。

”アニメは子供が見るもの”
”大人になってアニメを見てる奴はキモイ”
”深夜アニメなんてやらしいアニメばっかり”

そう思っていたのに、彼らはそのイメージとはまるで違う。ちゃんとした大人だ。ずっと話してきたからわかる。会ったことはないけど。
ちゃんと常識を持っているし、身なりもちゃんとしている立派な大人だ。見たことはないけど。多分。

そんな普通の大人が、これだけアニメを見ているということに私は衝撃を受けました。
そして仲良くしている彼らの輪に入れないことが、とてつもなく嫌でした。
(あと自分に似ているという”アキヤマミオ”というキャラがどんなキャラなのか純粋に気になった。笑)

そこで私はみんなの話題についていくべく、初めて自分からアニメというコンテンツに手を伸ばすのでした。

《初めて観たアニメの衝撃》

私が大人になってから初めて観たアニメ作品、それがけいおん!でした。
そのアニメは、私が思い描いていたような”深夜アニメ”とはまるで違うものでした。

話の内容は女子高生のなんてことない学校生活や部活動のことを描いた、ゆるーいお話。なるほど、こういうのが”日常系”なのか…と納得していると物語はEDへ。
ふーん、確かに面白いけどまぁそこまでハマるほどでは…と思っていると、突如めちゃくちゃカッコイイ音楽が流れだします。

「え、何…めっちゃ歌うま…秋山澪!?秋山澪がボーカルしてる!?え、ってか何この超カッコイイ映像は!?めちゃヌルヌル動くじゃん…J-POPアーティストのPVみたい!てかPVじゃんこれもう…え、めっちゃカッコイイんですけど??」

ED曲と映像の圧倒的カッコよさに、
一瞬で心が奪われました。

ゆるゆるな本編とのギャップが酷い。(いい意味で)
曲はかの有名な、『Don't say "lazy"』。

私はこの瞬間に『けいおん!』の虜になってしまったのです。(そして秋山澪にも落ちた)

そこから私は5日間で『けいおん!』(全14話)、『けいおん!!』(全27話)を観終えました。
丁度その時は勤務中に大怪我をし、自宅療養中だったということもありましたが、にしても驚異的なスピードでした。

この瞬間、生まれたんだね…アニメオタク、ニケが。

けいおん!』は私が持っていた深夜アニメのイメージを悉く覆してくれました。
萌えアニメなどでは決してない、普通の女子高校生のなんてことない日常。でも女子であったなら誰もが共感できる悩みやくだらない会話。
「創作において、なんてことのない日常こそ緻密に描くことがいかに困難か」
ということをこの作品を通して感じることが出来ました。
それだけ綿密に考え抜かれて日常を丁寧に描いていて、時にほっこりしたりたまに泣けたりして心を揺さぶられる。「アニメにはこんな力があるのか」と、今まで勝手な偏見を抱いていた自分を殴りたくなりました。

そしてアニメのみならず、中の声優さんにも初めて興味を持ちました。
というのも、私がハマった時には既にアニメ放送は随分前に終了していたため、リアルタイムで追えるのは声優さんがやっているラジオくらいしかなかったのです。
それまでも「声優」という職業については勿論知っていましたが、「声優さん自身」に興味を持つことはなかったので、これまた私にとっては新しい世界でした。
そのラジオで秋山澪役の日笠陽子さん”が、キャラとは全く違う面白お姉さんであることを初めて知り、役とのギャップで一気にファンになりました。笑

また声優さん達がライブをやっていたということも知り、DVDも買いました。
こういうコンテンツを2.5次元と呼ぶというのもこの時に初めて知りました。私の2.5次元コンテンツの原点は『けいおん!』ですね。

その後公開された劇場版は特典目当てに5回観に行き、人生で初めて「同じ映画を映画館で1回以上観る」という実績も解除しました。
そしてこの頃には『けいおん!』は社会現象的な人気を博し、楽器店にはキャラクターが使用している同モデルの楽器が飛ぶように売れていました。
けいおん!』は私のようなアニメに偏見を持っていた人間の頭をギターでぶん殴っていき、「深夜アニメに対する負のイメージ」を変えるということに貢献した作品の一つだと思います。
余談ですが、私も『けいおん!』をきっかけに、父親がエレキギターを持っていることを知り、それを借りて練習本を見ながら独学でギターを練習したりしました。
完全なるけいおん厨です、おめでとうございます。

けいおん!』は私に様々な”初めて”を教えてくれた作品で、大切な作品になりました。
あの時私にアニメを教えてくれた人たち、本当にありがとう。

ただ一つだけ経験できなかったのが、「『けいおん!』のライブに行くこと」
私がハマった時には2回目のライブが開催される直前で、アニメのライブってそもそもどうやってチケットを取るのかも分からなかったし、今からではきっと間に合わないだろうな…などと思い、「まぁ次開催されたらその時は行こう」と考えていました。
でもその”「次」の機会”はもうやってきませんでした。
2回目のライブが終わり、劇場版の公開も終わると次第に『けいおん!』コンテンツはフェードアウトしていき、ラジオも終了するとその後表立った活動は無くなってしまいました。
私はこの時の後悔から、

「行きたい現場があるなら這ってでも行け」

をオタク人生のモットーとして掲げ、もう二度とこんな後悔は味わうまいと心に決めました。

そしてこの教訓が、私を更なる沼へと突き落としたあのコンテンツへと活かされることになるのです。


<続く>

NEXT >>