勝利の女神様のあしあと

「人生は舞台」、私たちは次の舞台へ。

古典の心意気──『田中ゆゆ子の古典落語劇場』感想。

行ってきました、スタリラ朗読劇シリーズ第一弾『田中ゆゆ子の古典落語劇場』。
飛行船シアターは初めましてだったのでちょっとドキドキしたけど、508席という小さめなキャパなので1階席はどこでも割と見やすくて良かったです。多分これから何度もお世話になる劇場になりそう。

昼の部は後方真ん中寄りの席で、全体を見渡せる位置。夜の部は何と最前列の上手側でした!
その興奮冷めやらぬ帰宅途中の道すがら、或いはアドレナリンで眠れない勢いのまま布団の中でこれを書いていたりするので、やや記憶が飛んでいたり、テンションがおかしかったりするかも知れませんが、どうかそんなオタクの妄言をどうか嘲笑いながら読んで頂けたらと思います。
因みに夜の部のキラめきが眩しすぎて昼の部の記憶が星の砂漠になったので、夜の部視点からの感想メインで綴ります。

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★プロローグ 

奏者の方々がまずご登壇。奏者の方まで和装なのありがてぇ〜〜〜!!!
ベースの人が弥生人っぽくて妙に似合ってたとか同行者と盛り上がったのは内緒だぞ。
暫くしてキャストも登壇。みんな着物姿めっちゃ綺麗〜!!
紡木吏佐さんは極道の妻みたいだったし、倉知玲鳳さんはガチで銀座のママだった。(完全に着物の色のせい)

飛行船シアターが物語の中でも上演される劇場になっていたり、通常は噺家が1人で演じる落語を朗読劇形式でそれぞれキャスティングして演じるスタイルをゆゆ子演出で構成されることになっていたり生演奏する奏者に劇中で「今日はよろしくお願いします」と挨拶をしたりと、現実の世界も巻き込んで話の中に落とし込んでいたのが没入感があって凄く良かった。
おかげで「私達は今から、聖翔と凛明館の合同演劇の舞台を観に行くんだ」という観客としての役作り(?)をする準備が整いましたね。

???『私にも、与えられた役が…あったのですね…』

ってあの人もきっと燃え盛りながら喜んだことでしょう。(人?)

★一席目 『紺屋高尾』 

紺屋の職人が吉原のNo.1花魁に恋煩いを受けてして(恋煩いと聞くと某ゲームのことが脳裏にチラつく…)、一目会うために死ぬほど働いた末に想いを成就させる純愛物語。

ロミオに引き続き、富田麻帆さんが生き生きとしてましたね。笑
全体的に昼の部より夜の部の方が身振り手振りも大きくなって、芝居もより大きくなっていた印象。
夜の部は倉知さん側だったのでもうひたすら倉知さんの横顔や首筋やホクロを見つめてました。(キモオタポイント)
倉知さんは後ろで腰掛けて待っている間も、演者さんや客席の方に顔を向けて頷いたりスポットライト外でも演じていらっしゃって、その所作がとても美しかったです。
麻帆さんが下手側で割と上手側の方を見て演技することが多かったので、麻帆さんの表情筋の変化がめちゃめちゃよく見えました。笑

麻帆さん演じる久蔵がひたすらにアホで純粋で真っ直ぐで、倉知さん演じる親方がコミカルにツッコミを入れつつ愛情深く久蔵のサポートをし、あいあいさん演じる花魁も憂いを帯びた色気ある女性という感じで廓言葉(〜でありんす。みたいなやつ)もサマになっていたし、つむつむ演じるヤブ医者もコミカル要素として笑いを生み出していたし、語り部の佐伯さんも難しい台詞を流れるようにこなしていてまさに落語!という雰囲気を演出されていて…いやぁもう、凄かったです。(こなみ)

ピュアでひたむきな久蔵の想いに感情移入して、特に夜の部のでは更に演技に気迫がこもっていて…ちょっと視界が潤みました。
ラストの、

高尾『久さん』

久兵衛『…はい』

高尾『…元気?』

久兵衛『…はい!』

でもう何かが決壊しました。

あと久蔵の「あい…あい」って返事するとこで毎回クスクス笑いが起きてたのがめっちゃツボでした。笑
昼の部は結構間を空けて言ってたのに、夜の部は「……あいあいっ」みたいにくっ付けて言う事が多くて絶対狙ってるな!?って思って余計面白かったです。笑
倉知さんが途中で客席を煽って観客の手拍子を求めたとことか、昼の部にはないアドリブも効いてて楽しかったです。
同じ演目でも同じじゃない。まさに舞台は生きている、を随所で実感出来たのは両部共に観劇した者の特権ですよね。

あとパーカッションの奏者さんが結構色んな楽器を扱っていて、中でもスネアドラムを硬いブラシ?のようなもので擦って『シャ〜、シャ〜』みたいな騒めき?のような音を出していたのがよく聴こえて来たり、どの楽器がどんな音を出しているのかを目と耳で感じられたのは前方席ならではの体験だな〜と思いました。

あいあいさんの花魁も、ちゃんとセクシーでドキドキしましたよ?笑(後のアフタートーク参照)

★二席目 『浜野矩随』 

ダメな職人矩随が怒られて死にかけて再生産するお話。(要約しすぎ)
ゆゆ子と塁の掛け合いに熱が入りまくってて何かもう…すごかった。(語彙力5歳)

ゆゆ子演じる矩随が本当にポンコツで不器用すぎて…塁演じる若狭屋甚兵衛も人情深くて熱い男で、あんな長尺で罵る台詞を滑舌良く且つ感情爆盛りで捲し立てられる紡木さん本当に凄すぎる…。首の筋肉めっちゃ動いてんの見えたもんな。(キモオタポイント2)

その後の矩随の「俺が何したっていうんだよぉ!!」から始まる叫びも、やるせない感情がビシバシ伝わってきて、「死に際だけは立派でした、って言わせてやるよぉ!!」のとこでちょっと泣いた。それじゃあんまり切なすぎるぜ…。佐伯さんの演技力の振り幅エグいって。
この二人は本当に、ゆゆ子と塁じゃなきゃ演じられなかった役だなと感じました。それくらいに鬼気迫る演技でしたね。

あいあい母さんは、花魁の時とはまた打って変わって優しく、全てを見透かすような眼差しで語り掛けててその演じ分けも凄いなと思いました。
全体的に重い話の中で倉知さん演じるさだ吉がまた場を和ませてくれて、そのバランス加減が落語って感じがしてとてもよかったです。

落語は不勉強で原典を知らないので、「おっかさん、何で手首切っちゃったんだろう?」って結構ビックリしちゃったけど、助かって本当に良かったぁ〜!!
やっぱりハッピーエンドがすき…ごめんね戯曲スタァライト…。

1席目で「15両」というワードを出して大体の金銭の価値感覚を観客に示した上で、「30両」という金額が出てくる演目を出してきたのは構成として見事だったし、どちらにも「吾妻橋」が出てくるお話なので繋がりを感じられたのが良かったです。
まぁそのせいで最後、おっかさんを助けたのが1席目のヤブ医者じゃなくて良かったな~と妙なところでホッとしたりもしましたけど。笑

「名人に二代あり」を天堂真矢に言わせるところもニクいな~と思いました。

★ エピローグ 

幕が降りた後の舞台少女まで見せてくれるの!?
好き!!

泣きじゃくる塁に「よしよーし…」って撫でてやるゆゆ子のコンビ、マジ癒し。真矢クロは相変わらずイチャイチャしてた。
まさか劇中でゆゆ子の誕生日をお祝いするとは思ってなくてビックリしました。両部共に自然と客席からも拍手が起こって、キャラクター達と一緒にゆゆ子をお祝いすることができて、すごくホッコリした気持ちになりました。

「舞台少女は次の舞台へ!」
という、舞台創造科にはお馴染みの擦り込まれた決め文句を、"オチとしての御後が宜しいようでは誤用であり、本来の意味は次の演者へ繋ぐための台詞"との前フリを活かしてラストに

「御後が宜しいようで!」

とゆゆ子が落語風に落とし込んで締めてくれたのが、天才すぎて…オタクはそこで涙腺ガバになり申した。

その後の演奏チームによるインスト演奏、めっちゃ楽しかったです!!
昼の部は最初こそ静かだったものの、小気味良いリズムに自然と手拍子がパラパラと起き始めて途中からはノリノリになってたのがすごく良かったです。途中、ヴァイオリンの方が入場時に配布された団扇を掲げると客席もワラワラと団扇を取り出してたのがちょっと面白かったです。笑
私は鞄の中にしまっちゃってたのと、舞台から目を離すの勿体無いなと思って取り出しませんでしたが。
夜の部は最初から手拍子が起きてて、私も自然と体を揺らしながら音楽に乗ってました。団扇も最初からスタンバイしてたので一緒に振りながら楽しめました!
途中からキャストさんも団扇を持って登場してきて、あいあいさんが目の前に来てくれた時に目が合ってテンション爆上がりしました。
奏者の方々もめちゃめちゃノリが良くて本当に楽しかったです!やっぱり、生演奏は良いぞ。

★アフタートーク 

倉知玲鳳さんに鬼のようなファンサを貰って無事死亡。

倉知さんの斜め左くらいの席に座ってたんですけど、バチコリ見つめてくれる。
毎秒微笑みかけてくれてもう……女神様なの???
おかげで倉知さんのご尊顔を見つめるのに精一杯で、正直8割方話入って来なかったです。(聞け)

「昼も来てくれた人〜?」って問い掛けに、証拠として配布された団扇を2枚持って振ったら、それを見て倉知さんが「あっ、そうだ」って顔をして団扇を手に取って振り返してくれたし、「公式サイトをチェックしてください」的な話の時に、私が人差し指をピッと立てて「チェック!」ってやったら同じように「チェック!」ってやってくれたし…もうあの時間を思い出すだけで……
今なら断崖絶壁からのバンジージャンプだって飛べる。

昼の部終わりに、同行者に「いや〜まぁ最前でも今回は推し!みたいな推しはいないからアピールとかしなくてもいいや」みたいなドブ発言をしていた私。

見事に倉知玲鳳さん(と夢大路文)推しになりました。

ほんと数時間前の私、滝に打たれながら土下座して謝れ。吾妻橋から隅田川にドボンと落ちてアタシ再生産して出直せ!!!

と猛省致しました。面目ない。
あんなんされたら誰だって落ちるわい!!
私がチョロいんじゃない、倉知さんがファンサの鬼すぎるだけや!!!

あとスタリラ舞台の時から思ってたけど、倉知さんの演技がすごく好きだな~って改めて思いました。台詞だけではなく、仕草とか目線とか間の使い方とかの表現が本当に凄くて…気付けばずっと目で追っちゃってました。
所作が本当に美しいんですよね……好き。

えー肝心のトーク内容の記憶が殆ど消し飛んでおりますが、まだアーカイブ配信がありますので詳しくは公式サイトをチェック!して頂ければと存じます。(流れるような宣伝)

あ、あいあいさんメモの佐伯伊織さん空耳エピソードは笑いましたね。
昼では「タピオカに水」、夜の部では「鍵穴がなんちゃら?」(ここで鍵回す動作を真似っ子してたら倉知さんも真似っ子してくれたので記憶喪失)とか聞き間違えたことを暴露されてて、佐伯さんの天然が垣間見えて可愛かったです。笑
(昼の部の時、あいあいさんが「立石に水」って言ってましたが「立て板に水」では?とは心の中でちょっとツッコミを入れたw)

あとは「あい、あい」の返事の件ではキャストさんもみんなあいあいさんのことを連想して笑ってた話とか。それも本当に偶然だったらしいので本当に持ってるなー相羽あいなさん。笑
それと花魁役の時に富田さんが全然ドキドキしてくれなかった!と憤慨していたあいあいさんが面白かったです。いや相羽さん、ちゃんとえ~女でしたよ??

帰りはシークフェルト中等部のキャストさんがチラシを手渡ししてお見送りしてくれるという不意打ちの接近イベントが発生して、本当にびっくりしました!
推しに会っても生き恥晒すだけだから私はそこら辺の石ころでいいんだ…と、人生で一度も接近イベントを経験してこなかった為、これがまさかの接近イベントデビュー戦になりました。

おかげで昼の部では、中等部では1番気になっている存在の佐當友莉亜さんに手渡しして貰えたのに目を合わせてぺこりとお辞儀することしか出来ない超コミュ障オタクっぷりを発揮してしまい、めちゃくちゃ後悔しました…。
いやでも近くで見たら目力強い…可愛い…。推す。(チョロオタ)

その反省を活かして、夜の部ではちゃんとしようと決意するも昼は2人だった中等部キャストさんが何と4人に増えてた。笑
セラミュから知ってる久家心ちゃんに出来れば貰えたら嬉しいな〜と思って左右に分かれた列に並んだけど、残念ながら心ちゃんは反対側。
その代わりに松澤さんに「応援してます!」ってちゃんと言えた!偉いぞオタク!!
そしたら松澤さん、「あ〜!頑張りますぅ〜!」って天を仰ぎながら最高の笑顔で返してくれた…。
えっ、可愛い……推す。(チョロチョロオタ)

おかげで頭真っ白になって、その後に待っててくれてた青木さんに「ありがとうございます!」って何に対してだかよく分からない御礼を伝えるキショオタになってしもうた…面目ない。
A列で規制退場が最後の方だったので、お渡し会が終わった中等部キャストさん達が外まで出てきてくれて、「ありがとうございました!」って挨拶してくれました。
思わず起こる拍手の大きさにスタッフさんが慌てて、「(近隣に迷惑だから)拍手の音抑えて!抑えて!」って制止してたのが面白かったです。笑

正直に言うと中等部のことはまだそれほど熱が入ってない状態だったんですが、何だかこんなアイドルの下積み時代みたいなことまでして頑張ってる中等部キャストさん達のこと、普通に応援してあげたいなって気持ちになりました。チョロすぎるオタクなので。

中等部ちゃん達の舞台はネルケプランニングさん関わってなさそうだけれど、一体どんな舞台になるのか。見届けたいですね。


そんなこんなで(?)、声優さんからキラめきをたくさん浴びて心が満たされて胸いっぱいになったおかげか、終演後は食欲が減退した私でした。愛城華恋か。

そういえば夜の部アフタートークで今日の感想を聞かれた佐伯伊織さんが、「お腹空きました~」って答えてたのが、燃料を燃やし尽くして空っぽになった、貪欲な舞台少女って感じがして良いなぁ、と思ったことをふと思い出しました。

またお腹いっぱいに舞台少女達のキラめきを浴びられるように、その日まで私も全力で生き抜いて、お腹をペコペコに空かせて準備万端で臨みたいと思います。

それでは───御後が宜しいようで!